この記事でわかること
- 解体の前に、法律で石綿の調査が義務づけられていること
- 建築年でどこまで当たりをつけられて、どこから先は調べないと分からないか
- 解体費の見積りが、調査の前と後で変わる理由
- 調べる前の段階でも、査定を出せること
古い家を解体しようと見積りを取ったら、思っていた金額とかけ離れていた。あるいは「石綿の調査が必要です」と言われて話が止まった。築年数の古い建物では、よくあることです。
先に結論
いまはすべての解体工事で、石綿の事前調査が法律上必要です。建物の古い新しいにかかわらず必要で、省くことはできません。そして調査の結果しだいで、解体費は大きく動きます。だからこそ、解体の見積りを取る前に、売ったらいくらになるかを先に知っておくほうが順番として安全です。
解体の前の調査は、義務です
大気汚染防止法の改正で、石綿の規制はこの数年で段階的に強くなりました。
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2021年4月1日 ─ 事前調査が義務に
規制の対象が、吹付け材だけでなく成形板や仕上塗材を含むすべての建材に広がりました。解体・改修の前に、図面と目視による調査を行うことが必要になりました。
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2022年4月1日 ─ 調査結果の報告が義務に
一定規模以上の工事では、石綿が有っても無くても、着工前に調査結果を自治体へ報告することが必要になりました。報告するのは元請業者です。
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2023年10月1日 ─ 調査できる人が限られた
建築物の事前調査は、建築物石綿含有建材調査者などの資格を持つ人が行う必要があります。誰でもできるものではなくなりました。
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2026年1月1日 ─ 工作物にも拡大
一部の工作物の解体・改修についても、資格者による事前調査が必要になりました。
建築物の解体工事は、解体する部分の床面積の合計が80平方メートル以上。建築物の改造・補修工事と、工作物の解体・改造・補修工事は、請負代金の合計が100万円以上。報告の義務を負うのは元請業者等です。
このほか、作業する人を守るための石綿障害予防規則(厚生労働省)もあり、こちらでも調査と記録が求められます。法律は2つの方向から、同じ工事を見ています。
建築年で、どこまで当たりをつけられるか
2006年に石綿を含む製品の製造が禁止されました。そのため、それ以降に建てられた建物では、使われている可能性は低くなります。
建築年だけで「無い」と決めないでください
増築、改修、屋根の葺き替えなど、途中の工事で石綿を含む建材が加わっていることがあります。登記や図面に残っていない工事も珍しくありません。
そして、ご自身で天井材や外壁材を剥がしたり、壊したりしないでください。石綿を含む建材は、割る・削る・擦るといった行為で繊維が飛びます。状態を確かめるつもりの作業が、一番危ない行為になります。
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費用はいくらかかるのか
相場をお伝えすることはできません。調査費も除去費も、次のような事情で大きく変わるためです。
- 建物の規模と、調べる箇所の数分析に出す検体の数で調査費が変わります
- どの種類の建材に含まれていたか吹付け材か、成形板か。作業の方法と養生の規模がまったく違います
- 含まれている箇所の広さ
- 前面道路の幅と、足場・養生の条件
- 処分場までの距離
「坪いくら」という形で出回っている数字がありますが、それは石綿が無かった場合の通常の解体費です。石綿が見つかった時点で、その前提は使えなくなります。
だから、解体の見積りだけを先に取っても判断できません
調査前の見積りは「石綿が無ければこの金額」という条件付きです。調査の結果しだいで上がります。その不確かな金額をもとに、売るか解体するかを決めることになります。
調査費も解体費もかける前に、売ったらいくらになるかを先に知っておくほうが安全です。
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調べる前でも、査定は出せます
当社は石綿の調査を行う事業者ではありません。資格を持つ調査者の業務だからです。そのうえで、調査が済んでいない前提での査定をお出ししています。
A調べて、除去してから売る
- 有資格者による事前調査費用はご負担になります
- 結果しだいで除去工事ここが読めません
- 解体
- 土地として売る費用は全部先に出ていきます
B建物を残したまま売る
- 外観と書類で査定
- 調査費込みの前提で価格をお出しします
- 調査も解体も当社が引き受けます
- 価格はその分を見込んだ金額になります
Bの価格は、調査と除去の費用を見込んだぶん下がります。ただし、いくらかかるか分からない工事の費用を、こちらが引き受けるという形になります。読めない出費を抱えたくない場合は、こちらを選ばれることが多いです。
ご相談の前に用意しておくと早いもの
- 登記事項証明書建築年が分かります
- 建築確認済証、検査済証無くても構いません
- 増築や改修をした時期が分かるもの領収書や工事の書類でも十分です
- すでに解体の見積りを取っているなら、その書面石綿の調査費が含まれているかを確認します
当社が現地で確認していること
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建築年と、増改築の痕跡
外から見て、屋根や外壁が後から替えられていないか。建築年だけでは分からない部分です。
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使われていそうな建材の種類
スレート屋根、外壁のサイディング、軒天など。調査ではなく、見積りの前提を立てるための確認です。
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解体の条件
前面道路の幅、重機が入るか、隣家との距離。石綿がある場合、養生の規模が通常より大きくなります。
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近隣との距離
除去工事では、近隣への説明が必要になることがあります。条件を先に把握しておきます。
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更地にしたあとの土地の評価
接道と用途地域。建物を壊したあと建てられない土地だと、話の前提が変わります。
よくあるご質問
- 自分で天井材を剥がして確かめてもいいですか?
- やめてください。石綿を含む建材は、割る・削る・擦るといった行為で繊維が飛びます。状態を確かめるつもりの作業が、最も危険な行為になります。確認は資格を持つ調査者に任せてください。
まとめ
- 解体の前の石綿調査は、2021年4月からすべての工事で義務です
- 2023年10月からは、資格を持つ人でないと調査できません
- 2006年より後の建物は可能性が低いものの、調査を省ける理由にはなりません
- 調査費も除去費も相場を示せません。条件で大きく変わります
- ご自身で天井材や外壁材を剥がさないでください
- 調べる前の段階でも、調査費を見込んだ前提で査定を出せます
解体の見積りが思ったより高かった、という段階でご相談いただくことが多いです。その見積書をお持ちのうえ、ご連絡ください。
